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2013年07月16日 12時00分更新
夏のボーナスシーズンということで、「何か買いたい」と思う一方、「そんなに大盤振る舞いはできない」という人も多いことだろう。
本特集では3万円台で買える今イチオシの製品を紹介する。おススメするのは、デジカメ、AV、PC関連の各分野で、ASCII.jpにおいて執筆を手掛けるライター陣。
第一回目となる今回はデジカメにスポットを当てる! ミラーレス、デジタル一眼レフ、コンパクトデジタルカメラのジャンルから1機種ずつ選び、次々ページ以降でレビューを掲載している。なお、本特集における価格表示は最安値ベースとなっている。
3万円台で買いたいミラーレスは「NEX-3N」!
「NEX-3N」のパワーズームレンズキット |
1年経たずに新機種が多く投入され、同一メーカー内でも複数のラインナップが揃っているのでとにかく数が多い。数が多いほど価格競争が起きやすく低価格化が進むので発売してそれほど経っていないのに一気に価格が下がる機種も多い。
もちろん、人気の機種だと中々下がらず、あまり人気の無い機種が安くなっているのだが、しっかり探せば人気機種でも安い機種があり、また不人気機種でも性能的に十分で安く購入できるなら買う価値のある機種もあるだろう。
人気のミラーレスの中で今回ピックアップしたのはソニーの「NEX-3N」。今年の3月に発売されたばかりのシリーズ最新機種でありながらも、パワーズームレンズ付きで約3万7000円で購入可能だ。
キヤノン「EOS M」 | ニコン「Nikon1 S1」 |
EOS Mは2012年9月発売。新機種は出ていないので現行機種だ。発売当時はAFスピードに不満の声があったが、ファームウェアアップデートでシ ングルAFだけだがスピードアップした。
また待ちに待った交換レンズも発売が決まり、今後が楽しみになってきた。発売当時と比較して価格が半額以下に落ちているので結構お買い得だ。
LUMIX G5はミラーレス機ながらもEVFを標準装備して一眼レフスタイルでの撮影が行なえる少しハイエンド志向の強いデジカメ。もちろん、初めてのデジカメに選 んでもまったく問題はなく長く使える機種だ。2013年6月に「G6」が発売され型落ちになってしまったが十分な性能を持っている。
Nikon1 S1は2013年2月に発売されたばかりの現行機種。撮像素子が1型とコンデジに近いがレンズ交換ができる立派なミラーレス機だ。
撮像素子サイズが小さい分、本体サイズが小さく、コンデジ感覚で撮影できるがローパスフィルターレスにより高精細で他者のミラーレス機に負けない高画質で撮れるデジカメだ。
3万円台で買いたいデジイチは「D3200」!
ニコン「D3200」。写真は18-55mmレンズを装着しているが、レンズキットだと4万円台になってしまう……レンズ付きで3万円台ならα57(下記参照)という選択肢があるのだが |
3万円台となるとやはり型落ち機が多い。しかし、ミラーレス機やコンデジと違い、(一部の製品を除いて)製品リリースのスパンが長めな一眼レフの場合、 1世代前と言っても2~3年経っている場合や、現行機だが発売からは数年経っているので値段が下がっている機種もある。総じて大幅に価格が落ちることがな い。もしも落ちている場合は在庫処理レベルだ。
そんな一眼レフ市場で今、3万円台でお買い得感の高いのはニコン「D3200」だ。
ボディーのみの価格が最安で約3万8500円。残念ながらレンズ付きだと約4万3800円と予算オーバーなのだが、ここはちょっと勘弁してほしい。
D3200は昨年5月に発売されたモデルで、1年前とはいえバリバリの現行機種だ。撮像素子は約2400万画素で、同社のハイエンドモデルと同じ映像処 理エンジン「EXPEED 3」を搭載。さらに別売の無線LANアダプターにも対応しており、装着すればスマホやタブレットとの連携も可能だ。
キヤノン「EOS Kiss X5」 | 「ソニー α57」 |
2011年発売のEOS Kiss X5はすでに2世代前の製品。約1800万画素でバリアングル液晶モニター搭載など、機能的に不満はないのだが、2世代落ちならばもう少し安くなってほしい感がある。
α57は2012年4月発売だが、後継機が出ていないので立派な現行機でかなり手頃な価格になっている。
その上、αシリーズの中ではミドルレンジに相当するので造りも良く剛性感も高く、かなりお買い得感の高い値段になっている。
だが、一眼レフに分類されるとはいえ、αシリーズには光学ファインダーがなく、アイレベルで構えてファインダーを覗いても見えるのはEVFと特殊な構成なのであまり手放しでおススメできる製品ではない。
もちろん、製品構成を理解し、納得しているなら十分お買い得なモデルだ。暗いシーンでもEVFのおかげで明るくファインダーを確認できる上、ライブ ビューと同じ情報量をアイレベルに構えてファインダーで確認できる。AF動作も速いので光学ファインダーに拘らないのならお薦めできる。
3万円台で買いたいコンデジは「PowerShot SX500 IS」!
キヤノン「PowerShot SX500 IS」 |
光学20倍以上のズームを採用し、中には40倍ズームなんて機種もある。できるだけ小さく軽く、でも遠くの被写体を大きく撮りたいという需要はかなりあるようで、どこのメーカーも高倍率コンパクトを複数機ラインナップに用意している。
よく例えられるのが子供運動会や入学式、卒業式などの行事で、撮影がメインではなく、ほかにメインの出来事があり、写真も撮っておきたいなど、写真を撮るのがサブな場合にはできるだけ小さいほうがいいだろう。
また考え方にもよるが、レンズ交換可能なデジカメで望遠レンズを用意するよりも安くコンパクトで、軽くサブとして高倍率コンデジを持つのも場合によってはアリだとは思う。
今回チョイスしたキヤノンの「PowerShot SX500 IS」は昨年9月に発売された現行機種ではある。価格は最安で約1万8500円前後。35mm換算で24mmから720mm相当の光学30倍ズーム搭載で コンパクトな機種としてはかなり美味しい価格だと思う。
富士フイルム「FinePix S8200」 | オリンパス「SP-820UZ」 |
FinePix S8200は1/2.3型、約1620万画素の裏面照射センサーを採用している。SP-820UZも1/2.3型、約1400万画素の裏面照射型センサーを採用している。
ズームの倍率に関しては高ければ高いほど大きく撮れるが、望遠側でズーム倍率が10増えても広角側に比べてそれほど大きな差は出ないので、無理に倍率を 重視する必要はない。高倍率撮影で大事なのは確実なAF性能と手ブレ補正機能だ。スペック表記だけではわかりにくい部分で、ぜひ店頭などで確認してほしい 所だ。
手軽に使えるミラーレス機「NEX-3N」
電動のパワーズームが付属する「NEX-3N」。左が電源オフ、右が電源オン時。コンパクトな電動ズームとの組み合わせにより、本体サイズは幅109.9×奥行き34.6×高さ62mmとコンデジ並に小さく仕上がっている。重量はバッテリーとメディア込みで約269g。 |
NEX-3Nは多くの製品ラインナップを持つNEXシリーズの中でエントリークラス向けの「3」の最新機種であり、現在のNEXシリーズの中でも最新機種だ。
画素数は約1610万画素。上位モデルにあたる「NEX-5R」や「NEX-6」と同等の画素数を持っている。
薄いボディーと薄いレンズの組み合わせで携帯性が高い。ストロボ部の左右にステレオマイクが備わっている | 背面液晶は3型(約46万画素) |
側面には充電可能なUSB端子とHDMI出力が備わる。記録メディアもここから入れる | 電池はグリップ側。NEXシリーズは発売以来すべて共通の電池なのがうれしい |
シャッターボタン周囲に電源レバーとズームレバーが配置されている。レバー操作の電源は確実な操作ができるのでいい | コンパクトながらもストロボを内蔵。NEXシリーズのコンパクト機はストロボ外付けが多かったが、実用面では内蔵されているほうが格段にいい |
残念ながら素子内に位相差検出用のAFセンサーを埋め込んだ「ファストハイブリッドAF」のシステムは搭載していない。そのため、AFスピードこそNEX-5R、NEX-6よりは若干遅く感じるものの、動きのある被写体を追従しなければ気になるレベルではない。
基本的な撮影機能に関して言えば上位モデルとの差はほとんどなく、日常的に使用するのに十分な性能を持っている。むしろAFシステムの有無の差があるだけで画質はNEX-5R、NEX-6と同等と思える点のほうを評価したい。
液晶は自分側に向くので自分撮りしやすい |
感度別撮影サンプル
ISO 200 | ISO 400 |
ISO 800 | ISO 1600 |
ISO 3200 | ISO 6400 |
ISO 12800 | ISO 16000 |
機能面では色合いや色調を変更できる「ピクチャーエフェクト」や特殊効果的な「クリエイティブスタイル」、ダイナミックレンジを広げる「Dレンジオプティマイザー」や「オートHDR」など、NEXシリーズでおなじみの機能が搭載されている。
また撮影後にカメラが自動的に適切と思われるフレーミングにトリミングしてくれる「オートフレーミング」機能も搭載され、意図せずに面白い結果が得られる場合もある。
デジタルズームの一種ではあるが、より高画質を保ったまま拡大処理できる「超解像ズーム」で最大2倍まで拡大できる。これとは別にデジタルズーム機能も備わり、最大で4倍までの拡大撮影が可能だ |
撮影モードを意識せず、手軽に見た目で設定を確認しながら変更できるのが「マイフォトスタイル」。ライブビューで画像を確認しながら「ボケ具合」「色あい」「明るさ」「鮮やかさ」「ピクチャーエフェクト」の5つの項目をホイール操作で変更できる |
背面液晶右下に「?」アイコンが出ているときに対応するボタンを押すとヘルプ画面を呼び出せる |
ソニーのデジカメではお馴染みの「スイングパノラマ」。標準とワイドが選べるが、ワイドで撮影した |
フルオートモードは2種類を用意。「おまかせオート」(左)と「プレミアムおまかせオート」(右)があり、プレミアムにするとシーンに応じてオートHDRと手持ち夜景の2つが加わる。上の写真でも右はHDRが動作している |
機能面で若干は上位モデルに劣る点はあるものの、自分撮りしやすい可変液晶やコンパクトなボディー、コンデジライクなズーム操作可能なレバーなど、総合的に優しい仕様になっている。
気軽に使えつつも画質は十分で、日常的に持ち歩いて意識しないで高画質な写真を撮ることのできるデジカメだ。使いもしない機能を多く搭載した高価な機種よりも、実用性の高い安価なエントリーモデルのほうが気楽に使える。
明暗のあるシーンでもオートの精度が高く、見た目の雰囲気そのままで撮れることが多い |
エントリーとは馬鹿にできない実力! ニコン「D3200」
写真は標準ズームのついた状態。本体サイズは幅125×奥行き76.5×高さ96mmとデジイチながらもかなりコンパクト。重量はバッテリー、メディア込みで約505g |
D3200はAPS-Cサイズ(ニコンでいうところのDXフォーマット)の撮像素子を採用している。シリーズの中では一番エントリーモデルだが、機能面では上位モデルに負けている点は少ない。
ニコンのカメラは低価格帯モデルでも手抜き感のない、造りのいいモデルが多く、D3200もエントリークラスとしてはかなりいい仕上がりになっている。
撮影モードはフルオートからガイドモード、シーンモードなど十分に揃っている。シャッターボタン横には動画撮影開始用のボタンがある | 背面の液晶モニターは約3型(約92万画素) |
もちろんストロボを内蔵。地味に便利 |
ガイドモードの流れ。画面の指示に従って選択していけば適切な設定を得られる |
初めてのデジイチに選んでも操作に迷う事が少ないように、撮影モードに「ガイドモード」が用意されている。大まかに「撮る」「見る」「設定」の3つに分かれ、どのように撮りたいかを選んでいくだけでカメラ側が適切に設定を行なってくれる。
写真を撮ることに慣れてくればなんてことのない設定だが、初めての人には難しい機能や専門用語を使わずに説明してくれるので、かなり便利に使うことができる。
画像編集メニューからは「D-ライティング」効果の付加やトリミング、エフェクト系の機能を使用することが可能。またカメラ内でRAW現像を行なうこともできる |
撮影時には色調調整を行なう「ピクチャーコントロール」が備わっているが、エフェクト系の機能は撮影時には使用できず、カメラで画像編集を行なう際に処理することができる。
感度別撮影サンプル
ISO 100 | ISO 200 |
ISO 400 | ISO 800 |
ISO 1600 | ISO 3200 |
ISO 6400 | ISO 12800相当 |
エントリーモデルではあるが、撮像素子は2400万画素で画像処理エンジンも「EXPEED 3」を採用して上位モデルに匹敵する画質で撮影できる。ISO感度設定はISO 100からISO 12800相当まで。ノイズはISO 800あたりから発生し始めるが、感度を上げてもノイズは少ない。
ISO12800相当はISO 6400に増感処理を行なうので、ノイズも多く階調も狭くなってしまっている。あくまでも非常用と考えておこう。ISO 6400まではかなり実用性の高い画質を保っており、偽色も少なめ。拡大して見ないならISO 3200までは十分な画質といえる。
エントリーモデルといっても馬鹿にできない性能を持っており、とりあえず的に購入しても長く使い込めるデジイチだ。
ワイヤレスモバイルアダプターの「WU-1a」(希望小売価格5250円)をD3200の「USB/オーディオビデオ出力端子」に装着することで、スマホやタブレットからライブビューを確認でき、撮影まで行なえる |
別売のアダプターが必要だが、無線LANでのスマホ&タブレット連携やGPS機能といった今後のデジカメに標準的に採用されそうな機能に対応しているので、しばらくは時代遅れ的な感じにはならないだろう。
十分すぎる画素数と描写力、拡張性が魅力。初心者にはもちろん、ニコンレンズをすでに持ってる人ならボディーだけで済むのでサブカメラにどうだろうか?
シャープネスはあまり高くないものの解像感は十分。ラチチュードは広く、ハイライトの描写性は高い | 質感の描写性は高く、淡い発色もにごらないで綺麗に描写されている。画素数が多く、緻密で精細な描写だ |
これ一台あればたいていの撮影がOK!
光学30倍ズーム機「PowerShot SX500 IS」
光学30倍ズーム搭載だが、本体サイズは幅104×奥行き80.2×高さ69.5mmと意外にもコンパクト。重量はバッテリーとメディア込みで約341g |
しかし、高倍率機という点もあり、機能面ではいわゆる普通のコンデジの下位モデルとは異なり、十分な機能を備えている。
超望遠撮影時でも手ブレの少ない静止画が撮れる「マルチシーンIS」や、撮影状況を自動認識して適切な設定を行なってくれる「こだわりオート」など、高倍率ズームを生かす機能が搭載されている。
グリップの大きな一眼レフスタイルを採用。ズーム操作はシャッターボタンの脇にあるレバーで行なう。左は広角側、右は望遠側でレンズを繰り出したところ。さすがに望遠側にズームするとレンズの繰り出し量は大きい |
液晶モニターは3型(約46万画素) | グリップ側のカバーの中にはUSB端子とHDMI出力端子が備わっている |
グリップ内部にはバッテリーと記録メディアが入る | 本体上部にはポップアップ式の内蔵ストロボを搭載 |
レ ンズ鏡筒の側面には「フレーミングアシスト」ボタンがあり、ズーム域がどこにあっても押せば広角側に戻り、離すとまた元のズーム位置に戻る。またボタンを 押しながらズームレバーを操作すると画角は広角のままフレームだけが表示され、ボタンを離すとフレームの大きさまでズームされる。望遠時のフレーミングと 周囲の確認がしやすい便利な機能だ |
高倍率ズームを使っていると気になるのが最短撮影距離だ。広角側ではほどほど寄れても少しズームするだけでピントの合う距離が離れてしまい、ピンボケになってしまう。
画面の左側上部に現在のズーム位置とピントの合う範囲が表示される |
「ライブモード」では、直接効果を確認しながら明るさ、彩度、色調を調整することができる |
エフェクト系の効果を付加できる「クリエイティブフィルター」モードでは「トイカメラ風」(左写真)以外にも「魚眼風」「ジオラマ風」「モノクロ」「極彩色」「オールドポスター」といった効果を選べる |
さらに思い通りの明るさや色調に調整する「ライブモード」も撮影ダイヤルに用意されており、液晶で効果を確認しながら調整が可能だ。このほかエフェクト系機能の「クリエイティブフィルターモード」も備わっている。
感度別撮影サンプル
ISO 100 | ISO 200 |
ISO 400 | ISO 800 |
ISO 1600 |
画質を見てみると、ノイズはISO 400から出始めるが結構少なめ。最高感度のISO 1600でもあまり画質の低下はない。上限が低い分、どの感度でも実用度は高い。
左が広角側(24mm相当)、右が光学30倍望遠側(720mm相当)。肉眼では目を凝らしても見えないような拡大撮影ができる |
デジタルズーム併用で4倍(2880mm相当)拡大。かなりの拡大率だ。デジタルズームは当然ながら画質劣化があるが、それでも使い勝手はいい |
背面液晶で確認しても、手ブレ補正の効果は高く、手持ちでフレーミングしても安定して画角を決めることができた。
一眼レフスタイルの宿命で奥行きがあり、コンパクトとはあまり言い難いが、サイズそのものは小さめなので、荷物としては収納スペースはあまり取らない。
これも望遠側で撮影。高倍率ズームにしては結構近寄って撮影可能なのでマクロ代わりに使える。階調幅は意外に広く、感度低めでも暗部にノイズが出てしまうがかなり高精細に撮れる | 高倍率ズームを使うとついつい望遠側で撮影してしまう。手の届かないような距離にあっても目の前にあるように撮れてしまうのは楽しい。シャープネスも高く階調の表現力も高い |
差し当たりこれ一台あればたいていの撮影が可能なので、望遠撮影したい人にはもちろん、ミラーレス機に標準ズームやパンケーキレンズを装着して楽しんでいる人の望遠サブ機としてもうってつけな一台だ。
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