2010年9月12日 星期日

● GIGAZINE ~ 巨大魚保護プロジェクト

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メコンオオナマズ


絶滅寸前のメコンオオナマズは、世界で最大の淡水魚だ。これまで記録された最大の個体は、体長2.7メートル、体重293キログラムだった。
Photograph by Zeb Hogan

プロフィール

ウロコのない淡水魚としては世界最大のメコンオオナマズは、東南アジアの茶色く濁ったメコン川にわずかに生息する。全長3メートル、体重300キロという大きさにまで成長する。主な生息域はカンボジア、ラオス、タイ、ベトナムのメコン川水系の下流域だ。

かつてはメコン川水系に数多くのメコンオオナマズが生息していた。しかし過去1世紀でその数は95%も減少し、この巨大な魚は絶滅の危機に瀕している。個体数の減少した主な原因は乱獲だが、産卵場所を奪い、川に土砂を蓄積させたメコン川支流のダム建設も深刻な影響を及ぼした。現在では数百匹の成魚しか残っていないのではないかと考える専門家もいる。

メコンオオナマズの目はとても低い位置に付いている。体の上部は銀色または濃い灰色をしており、腹部は白または黄色である。歯のない草食魚で、水草や藻類を食べて生きている。幼魚にはナマズの仲間に特徴的な触鬚(しょくしゅ)と呼ばれる口ヒゲが生えているが、成長するにつれて縮んでいく。

季節の移り変わりに応じて、また産卵に適した環境を求めて、メコンオオナマズは頻繁に回遊する。そのため生息するには広い流域を持った川を必要とする。カンボジアのトンレ・サップ湖で成長すると、産卵のために何百キロも離れたタイまで北上する。しかしダム建設や人間による生息域への侵害によって、メコンオオナマズのライフサイクルは大きく乱された。

現在、メコンオオナマズを救うために国際的な取り組みが展開されている。タイやラオス、カンボジアでは捕獲が違法になっているほか、タイでは国王の在位60年に敬意を表し、多数の漁師がオオナマズを捕獲しないことを公約した。しかし、メコン川沿いに点在する多くの村々にまで漁業制限を浸透させることは不可能に近い。そのため、密猟やほかの魚に混じって水揚げされる状況はいまも続いている。

早わかり

分類: 魚類
保護状態: 絶滅危惧
食性: 草食
寿命: 野生: 60 年
体長: 最大 3 メートル
体重: 最大 300 キログラム
最大の淡水魚は、2005年にタイ北方で捕獲されたメコンオオナマズで、体長は2.7メートル、体重は293キロだった。
成人男性(180cm)との比較:
比較画像

その他の魚類






世界各地の巨大淡水魚が生存競争に敗れ去ろうとしている。水質汚濁、乱獲、ダム建設などにより、その生息域である河川・湖沼の環境が悪化の一途をたどっているためだ。

そこで生態学者のゼブ・ホーガン氏は2007年初頭、ナショナル ジオグラフィック協会支援のもと、巨大魚保護プロジェクトを立ち上げた。体長2メートル以上または体重100キロ以上の巨大淡水魚20数種を3年がかりで調査し記録するという試みである。このプロジェクトは、巨大淡水魚の窮状に対する関心を高めることだけでなく、悪化を続ける世界の水資源の状況に警鐘を鳴らすことも目標としている。

ここでは、プロジェクトの進捗と調査内容をニュース特集としてお届けする。

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